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特別対談 ~阪神・淡路大震災、発生から20年を迎えて~

防災、減災、生活再建 3つの心構えで暮らしを守る 対談:危機管理アドバイザー 国崎信江氏 北淡震災記念公園 野島断層保存館 副館長 米山正幸氏

震災の脅威は、決して風化させてはいけません。危機管理アドバイザーの国崎信江氏と、阪神・淡路大震災の被災者で、北淡震災記念公園 野島断層保存館 副館長(当時)を務める米山正幸氏を迎え、防災、減災、生活再建、3つの観点から、私たちが必要な備えについて改めて紐解きます。(対談日:2014年12月4日)

生活再建

建物の再建だけでは不充分家財も含めた保障を考えるべき

国崎 東日本大震災で強く感じたことは、今の防災、災害対策が生命・身体を守ることを重視するあまり、災害から財産や生活の基盤を守るという視点が充分じゃないことです。
いろいろな被災地を見て、生き残った後に直面する大きな課題が自宅の再建だと再認識させられました。

米山 阪神・淡路大震災のときはまだ法律も未整備で、自宅の再建は自分の蓄えでやるしかありませんでした。

国崎 自宅の再建ができるかできないかでその後の人生が変わってしまうのだと、被災者の多くの人たちの涙に接して痛感しました。

米山 家の再建に限らず、命が助かったら、次に出てくるのはお金の問題です。被災直後、家がつぶれて通帳もハンコもないのに、多くの人が銀行へお金をおろしに行ったんですね。お金があるからといって何ができるというわけでもないのに、お金を持つことで安心したかったのかもしれません。

国崎 被災後の自分の生活を思ったときに、自然とお金に考えがいくということですよね。

米山 当時の北淡町は地震に対する知識も備えもありませんでしたから、私も含めて共済のことを認識している人はいなくて、皆さん本当に困っていました。

写真上:松本通(神戸市兵庫区/1995年)
写真下:山陽月見山駅周辺
(神戸市須磨区/1995年1月26日)
出典:神戸市提供 阪神・淡路大震災「1.17の記録」より

国崎 貯蓄であったり保障であったり、災害を前提に家を守る備えというのは非常に重要な視点ですが、加えて、家財についても備える必要があると思うのです。「とりあえず建物の保障だけやっておけば安心」と思ってはいけません。こくみん共済 coopの試算によれば、小学校のお子さんが2人いる4人家族の場合、家財を全て買い換えると1,600万円かかるのだそうです。この数字を見て、正直、私もびっくりしたのですが、家財全体でいくらかを考えた人はほとんどいないんじゃないかと思います。

米山 建物のほうにお金がかかってしまって、家を建て直すことはできたんだけれども、家具だとか家電製品だとかがなかなか揃えられなかった人は実際にいました。

国崎 そうした切実な問題を、大多数の人は気付いていらっしゃらないのではないでしょうか。命だけでなく、生活をいかに守るのかについて「次は我が身」という意識で考えていただきたいですね。

危機管理アドバイザー 危機管理教育研究所 代表
国崎信江氏 くにざき のぶえ

阪神・淡路大震災をきっかけに、自然災害から子どもを守るための研究を始める。内閣府「中央防災会議首都直下地震避難対策等専門調査会」専門委員などを歴任。

●HPアドレス
http://www.kunizakinobue.com/

北淡震災記念公園 野島断層保存館 副館長(当時)
米山正幸氏 こめやま まさゆき

1966年生まれ。29歳の時に阪神・淡路大震災を体験。2000年より北淡震災記念公園職員に。現在は「震災の語りべ」として震災の体験と教訓を多くの人に伝える。

次の被害を少しでも抑えるのが私の務め

阪神・淡路大震災の記憶を伝え、その教訓を学んでほしいと建てられたのが、私が副館長(当時)を務める「北淡震災記念公園 野島断層保存館」です。 非常に残念なことに来館者の数は減っていますが、目的意識を持って訪れてくれる人は増えているように感じています。自然の脅威に対して、人は日頃からの備えをしっかりと身に付けておくことしかできないわけで、その備えのために「震災の語りべ」としてでき得る限りのことをやっていこうと思っています。

▲北淡震災記念公園 野島断層保存館
震災で出現した野島断層をありのままに保存。
震災の語りべである米山副館長から地震の恐ろしさと備えの大切さを学ぶことができます。
●所在地
兵庫県淡路市
●HPアドレス
http://www.nojima-danso.co.jp/