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特別対談 ~阪神・淡路大震災、発生から20年を迎えて~

防災、減災、生活再建 3つの心構えで暮らしを守る 対談:危機管理アドバイザー 国崎信江氏 北淡震災記念公園 野島断層保存館 副館長 米山正幸氏

震災の脅威は、決して風化させてはいけません。危機管理アドバイザーの国崎信江氏と、阪神・淡路大震災の被災者で、北淡震災記念公園 野島断層保存館 副館長を務める米山正幸氏を迎え、防災、減災、生活再建、3つの観点から、私たちが必要な備えについて改めて紐解きます。(対談日:2014年12月4日)

防災

災害が起きた事を想定して備えなければ、防災とはいえない

国崎 阪神・淡路大震災は、発生が午前5時46分と多くの人が家にいた時間でしたから、「住宅の耐震性が生死を分けた地震」だったのではないかと思います。実際、阪神・淡路大震災でお亡くなりになられた方の77%が、圧死でした。

米山 あの日、北淡町(現・淡路市)の私たち消防団員は地域の住民たちと力を合わせたことで、幸いなことに倒壊した建物の下敷きになった多くの人を、救出することができました。
 そうした経験から、住宅の耐震性強化、そして家具の転倒防止こそ、命を守るために最も優先順位の高いことだと考えています。住宅の耐震性強化に関しては、技術面や経済的負担の面で難しいこともいろいろあるでしょうが、できる範囲でぜひやっていただきたい。一瞬にして家がぺしゃんこにならなければ、命まではなくならないと思うのです。

ポートアイランド周辺 地震後の家の中の様子
(神戸市中央区/1995年1月19日)
出典:神戸市提供 阪神・淡路大震災「1.17の記録」より

国崎 テレビや雑誌などが「防災」を特集する際に伝えている内容は実際の被害と大きなギャップがあると、常々感じています。防災グッズの紹介であるとか、被災者が役に立ったと言っているものは何かとか、テーマが「もの」に流れていってしまいがちです。しかし、防災の本質は、「自分の住む家を災害に強くする暮らし方」にあるのではないでしょうか。

米山 おっしゃるとおりだと思います。
 例えば、防災用の備品のひとつに、笛があります。自分の居場所を知らせるために役立つからです。けれども、寝るとき枕元にただ笛を置いていても、何の役にも立ちません。暗い中で小さな笛を探すのは至難の技ですし、第一、生き埋めになるような大きな地震が来れば、その揺れで笛はどこかに飛ばされているでしょう。ですから、笛にはひもを付けて決まった場所に固定しておかないと、防災用の笛にはならないのです。

国崎 説得力のあるお話です。つまり、備品があればいいというものではなくて、それをどう使うのかという意識が伴っていなければ、災害に備えたことにはならないのですね。

地震後の家の中の様子
(神戸市中央区/1995年1月17日)
出典:神戸市提供 阪神・淡路大震災「1.17の記録」より